”小さい蜂の巣”を「自分で駆除する方法」経験談

9月中旬以降は気温も下がり、植物も虫たちも活動を再開します。
同じく「さあ、ガーデニングしーよおっと♪」と、出てくるのも“人間さま”です。

そして、もちろん蜂も出てきます。
さて、困ったなとなるわけですが・・・・

この記事を書いているのは、「樹木医コッコ」です。
緑地を「デザイン」「作る」「守る」「きれいにする」仕事を15年ほどしてます。

🐓

その蜂、本当に危険ですか?

私も緑地管理していますと、毎年必ずお目にかかるのが“蜂”たちです。
彼らも生きているので“エサさがし”と“次の世代にいのちをつなぐ”のに必死なわけです。

ほんとうに、あなたに害をおよぼすのかを判断してから、蜂の巣を検討してみるのも大切です。

蜂は種類によって花粉を媒介してくれたり、芋虫を捕食してくれたりと“なくてはならない存在”ですし、私たちの“食”に直結する大切な生き物でもあります。ハバチなどそもそも刺さない蜂もいますし、クマバチやマルハナバチなど刺すことができるけど、それは自己防衛のためであったりします。

蜂がもつ毒針の本来の使い方は、青虫などのエサとなる虫を麻痺させて捕獲するために使用します。人を刺すためのものでなく、捕食と巣の防衛のために使う毒針です。

ですので、あなたが駆除しようとする蜂は“どんな蜂なのか”を知ってから判断してもよいのではないでしょうか。

とは言うものの、人の生活圏や行動範囲に巣があることは危険となります。わざと刺激するつもりがなくても、不意に遭遇することがあるからです。

この記事では、“危害を加えてくる恐れがある場合”に「蜂を自分で駆除する方法」を経験談をもとに書いています。いままで駆除したことがあるのは、”ススメバチ類、アシナガバチ、ミツバチ”です。

スズメバチの活動周期

特に、攻撃性の高く危険なスズメバチの年間の動きを知ることは、駆除すべきかどうかの判断材料のひとつになります。「5月初旬〜11月中旬」は活動時期になり、特に「危険なのは9~10月」だと覚えておくといいです。

4月下旬~5月・・・冬眠から女王蜂バチが覚め。1匹で巣作りを開始し、働き蜂を育てて増やしていきます。9月ごろには完成です。

6月~7月・・・働き蜂の増加。巣が直径20cmほどのサイズになります。

8月~9月・・・活動の最盛期。働き蜂も数百~千匹クラスとなり、立ち向かうには恐れを感じる数となっています。

9月中旬・・・新しい女王バチが誕生。このため、巣を守るための警戒心が高まり周囲に対して敏感になります。スズメバチの巣の周辺が一番危険な時期に。

10月・・・新しい女王蜂の巣立ち。働き蜂の数も減少していきます。

11月下旬・・・活動は休止。新女王蜂は巣立ち、働き蜂はその一生を終えることになります。

※地域によって前後します。
※年々、温暖化のせいか冬にずれ込んで行ってます。

”蜂”と”蜂の巣”の駆除

さて、実際に駆除をする際には次の2つの選択肢があります。

自分以外に依頼して駆除してもらう

市町村などの役場

市町村によっては業者を紹介してもらえたり、蜂の巣を駆除してくれるところもあります。調べてみる価値はあります。

業者に依頼「蜂の駆除の相場や費用」

知らない業者に依頼することは不安ですね。ここでは業者紹介していませんが、私が経験した「業者に依頼した場合の値段」を参考に書いておきます。もちろん、業者によって異なりますのであくまで経験談です。

¥6.000~¥60.000円でした。

アシナガバチ、ミツバチでハシゴなどを使う必要のない簡単なところで6.000円。
キイロスズメバチ、コガタスズメバチで20.000円。
オオススメバチで歩いていける土の中の場合、35.000円。

※追加の場合・・・手が届かないところで、ハシゴも届かない高所で高所作業者などを使用した場合は、+20.000円~

自分で蜂の巣を駆除する

危険を伴うので、自分以外の専門の方にお願いするのが間違いないのでしょうが、費用や状況によっては自分で駆除することになります。

ここからは、あくまで私の経験談なので危険な部分があるかもしれませんので、参考程度に読んでいただければと思います。

蜂の巣を簡単に駆除するために「大事な下調べ」

退治するにも、どこから出てくるかをしっかり確認しないと意味がありません。

木々の中?、切株の中?、木の幹の空洞?、生垣の中?、竹の中?、土の中?、建物の壁や隙間、軒下?・・・

「じぃ~」と、蜂の行く方向とパターンを観察します。
少しずつ出入りしていそうなところに静かに近づいて、確実に“巣”もしくは“出入り口”を確認します。音や話し声はひかえつつ、忍び足で・・・

スズメバチについては、巣の“穴”を確認できればしておきます。
出入り口は1か所のことが多く、ここをしっかりと押さえておくとスムーズに駆除できます。

確認後はできれば、“蜂の種類を確認して特定して駆除すべきか判断”します。

※夜間に行動する「モンスズメバチ」は対処したことがありません。しかも、巣穴が1か所でなく、底全体が出入り口です。

「蜂、蜂の巣の駆除」の時間帯

蜂の活動時間は「明るいとき」です。

このため、私はいつも蜂の巣の駆除の時間帯は「18:30から準備して、19:00スタート」でおこなっていました。要するに、蜂の巣の駆除の時間帯は「夜」です。

地域や季節にもよりますが、蜂の巣駆除の時期は大体がこの時間です。
蜂はどうやら夜は「視界が効かない」ようです。

そして、もうひとつの理由が「全員、巣にもどっている」という時間です。
ここで一網打尽にすれば、駆除後にもどってくる「戻り蜂」は少なくなり、再び遭遇する危険性を下げることができます。

その他の注意すること・・・夜行性「モンスズメバチ」とは戦わない、蜂の巣駆除は雨の日なら大丈夫?

さきにも書きましたが「モンスズメバチ」は夜間活動ができるため、大きな巣は自分で駆除を行うのは避けることにしています。

モンスズメバチ

引用:森林研究・整備機構ホームページへのリンク

あと、「雨の日は人と同じで蜂も休業日でしょ!」と白昼に挑んだ私は間違っていると思い知らされたことがあります。近づいてスプレーを構えた瞬間に、巣穴から無数のスズメバチがワラワラと出てきましたので、撤退しました。\(゜ロ\)ひゃー!
やっぱり日中は雨であっても蜂は活動しています。避けた方が無難です。

準備すること・道具

自分以外にもう一人

これはできればですが、以下の理由があります。

・退治をしている人が被害にあった場合の救助のため

・退治をしている人を「戻り蜂」から守るため

・退治をしている人に予備のスプレーなどを渡す補助のため

1人よりかは、2人でいた方が安全です。

服装
  • 長袖
  • 長ズボン
  • 帽子
  • 長靴
  • 手袋
  • 防護ネット(首から上の保護)
  • タオル(首にまく)
  • ゴーグル

※基本は白色が良いです。

※防護服や分厚い服や、靴下や軍手など2重履きなどが推奨されます。

ゴーグルは付けておいた方が身のためです。蜂から眼を守るのももちろんですが、刺す以前に毒を噴射してくる場合もあります。目に入ると非常に痛く、最悪失明の恐れもあります。また、蜂のスプレーが風向きや自分のあせりから眼にかかる恐れがあるからです。

他に気をつけること、「色と匂い」です。
黒いものに襲い掛かってくる習性があります。匂いについても香水、化粧品、整髪料などにも反応します。

※ちなみに日中に挑む場合は、↓この宇宙服のような防護服が必要です。

道具

蜂ノズル ハチダウン専用スプレーノズル ハチローFH (1本)

・蜂スプレー×2~4本 ハチダウン

・懐中電灯(ライト)※できれば“LEDでないもの”と“LEDのもの”

・虫アミ

・ごみ袋

・あると安心な”蜂スプレーノズル”

自分の身体から離れた位置(2.6mほど)から、巣に最接近させ、出入り口の穴がわかれば、ピンポイントでノズルの先端を突っ込んで、巣の中に噴射させることもできます。危険を減らしつつも、至近距離から確実に薬剤をかけることができるスペシャルな道具です。※スプレーは専用のハチダウンが必要です。

 

・蜂スプレー

蜂スプレーは色々ありますが、私が用意するのは2種類です。

【ジェットタイプ】・・・“こぶしぐらいの大きさ”なら、これを使って遠方より発射して近づいていきます。または、ジェットの圧力で液剤を巣の奥にまで送り込みます。作業をするときは3~4mまで接近して、確実に仕留めらる距離から開始するのが確実です。かなり遠くから狙うと蜂が散らばって逃げてしまい、周囲から攻撃される恐れもあります。噴霧時間が短いので、数本持っておくのが安心です。


【スプレータイプ】・・・近距離が噴射するのに使います。広い範囲に噴霧できるので逃げる蜂をカバーします。また、退治する以外のもう一人が護衛する場合に、帰ってくる蜂から退治している人を守るため使います。ジェットタイプより噴霧時間が長いものが多いです。

2~4本とは多く感じるかもしれませんが、下調べで巣を抑えきれず次から次へと蜂が飛び出てくることもあります。そうなると、長期戦になる恐れと、逃げる際にスプレー切れとなり身を守ることができなくなる恐れを防ぐために多くの本数を用意しておきます。余ってもまた使えます。

・懐中電灯(ライト)

できれば“LEDでないもの”と“LEDのもの”と書きました。
LEDライトの光からは紫外線が放出されないため、虫を寄せ付けることはほとんどありません。
“LEDライト”は夜間に、蜂を刺激せずに巣と作業場所の確認をするために使います。

“LEDでないライト”は、いざ噴射を行う前に自分とは反対方向に置いておいて、仕留め損ねた蜂をそちらに誘導する“おとり”にします。そこに集まってくる蜂もスプレーで駆除します。

 

・虫アミ・ゴミ袋

薬剤をかけた巣が静まり返ったら、巣を虫アミで取り除きます。それをゴミ袋に入れて廃棄します。間違っても、素手で持ってはいけません。蜂は駆除できていても「毒針」は反射的に触れると刺してきますのでご注意ください。

蜂の巣の駆除後は放置?もどってくる?

駆除後も、逃げ延びた蜂など巣にもどってくる“戻り蜂”がいることがあります。
蜂の気持ちになれば、「親の仇!」(-_-メ)と、怒りにふるえ暴れまわる心境だと思います。
数日間は様子を見て周辺に近づく時は注意しましょう。

また、巣は放置せずに撤去した方がよいです。幼虫が巣をかじる音によってくるのか、成虫が寄ってくる傾向があります。また、生き延びた幼虫が羽化して成虫なることがあります。駆除した翌日でも良いので、取り除いて処分したほうが良いです。そして、幼虫が腐敗する時の臭いが異常に鼻をつくので、衛生上も除去するのがおススメです。

蜂の巣の作り始めでふせぐ

そもそもですが、蜂の巣をつくる前に防ぐことがいちばん効果的です。

これにはおすすめの商品があります。
他のものでも試してみましたが、これがいちばん取れてその年のスズメバチの数が減りました

忘れずに来年の4月中旬ごろに、ぜひ設置してみてください。
蜂が”ブンブン”して怖い思いをした今だからこそ、しっかり用意することが大切です。


おまけ・・・失敗談など

庭木の手入れで手を植木に入れたとき、刈り込みをしていたときなどによくさされる人がいます。作業前にホウキなどで植木を叩いて蜂がいないかを確認してからがおすすめです。

いままでに冷や汗をかいたことが何度かあります。

建物の壁の中に作られた蜂の巣を駆除した時のことです。

夜に外壁の侵入穴を塞いでから、内壁からドリルで穴をあけて、駆除スプレーを投入しました。ところが内壁が換気扇のダクトに繋がっており、部屋に向かって蜂が逃げ出そうとして、換気扇の入り口に「カンっ!カンっ!」と体当たりしてきました。これで部屋に入ってきたら大参事!!心臓が“バクバク”したことがあります。結局、換気扇フィルターがしっかりと閉まっていたため部屋に入ってくることはありませんでした。

他にも知らないとは強いもので、はじめて駆除したのはオオスズメバチでした。

土から出てくる蜂にむかってスプレーをひたすら噴射しつづけ、土の入り口にスプレー缶をつっこんで駆除したことがありました。しかも昼間に・・・

今考えると「やめておけ!」と言いたかったです。なにもなかったことが奇跡です。

ほかにも、ベランダで駆除の途中でスプレーが切れたり、巣の出入り口は1つとおもいきや2つあったり・・・

みなさまもくれぐれも万全の下調べと準備をしてから行うようにしてくださいね。

それでは、また‼️🐓

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