植物を強くする 石灰散布(Caカルシウム)




植物を強くする 石灰散布(Caカルシウム)

【病害虫への抵抗能力を引き出したい】

自分の庭や畑はできるだけ薬剤を使いたくないと考えています。

そして、虫や病気の危険に晒されていることは自然の中に身を置くからには避けて通ることはできません。

虫や病気は、弱って貧弱なものや栄養過多なもの、バランスの崩れたものをターゲットにして自然に返そうとしているようにも考えられます。

病害虫に侵されるのは当たり前として考えたときに、食べられてもそれ以上に生育旺盛で回復し、病原菌が立ち入ることを拒むことができるほどの厚いバリアがあればその植物は生き残ることができるはずです。

多少、虫にかじられたところで植物が元気であるならば、自身の葉などが傷つけられると、その部位からほかの部位に警報を発して天敵を呼び寄せたり、毒を生成したりと防御機構を発動させることが知られています。

こうやって、健全な植物たちは身を守っています。

では、健全な能力を引き出すにはどうしたらいいだろうか・・・

その1つ、カルシウムCaに今回は焦点をしぼって記事にしてみました。


【石灰の葉面散布】

「苦土石灰の希釈用液を用いて、葉に直接散布して植物の病害虫を抑制する」という話を聞いていたので、この春からバラやサルスベリ、キュウリなどに苦土石灰の希釈溶液を葉面散布していました。

そのおかげか、うどん粉病にはかかりませんでした。

しかしながら、バラの黒星病に梅雨の途中から罹病していました。

結果、万全ではありません。

しかしながら、バラに至っては、黒星病の発生を遅らせ、またモザイク病の持病を持つバラは例年7月ごろまでには葉を多量に落としていましたが、今年はそれほど落葉が見られません。

他には、ルリチュウレンジハバチの食害も狭い範囲で抑えられていました。

葉の厚みがしっかりとしており、光沢もあります。

一方、別の畑で育てていた葉面散布をしていないトマトのお尻が黒くなりました・・

なんだ!?これは?病気かな?

いいえ、このトマトにはカルシウムCaが不足していた生理障害のせいでした。

【原因はカルシウムCa不足】

トマトの「尻ぐされ症」といわれる症状で、幼果の細胞壁が壊れたために黒く変色する生理障害です。

なにが原因かというと「カルシウムCa不足」。

これが答えです。

【カルシウムCa、どうして不足するのか?】

カルシウムCaは蒸散によって水と共に移動します。葉の場合は、気孔からの蒸散で行きわたりやすいのですが、果実は表面からの蒸散は少ないためカルシウムが欠乏しやすくなります。

他にも次のようなことが考えられます。

・土の中にカルシウムCaが足りていない

・土が夏期の高温で乾燥した状態が続くと、根がうまくカルシウムCaを吸収できない。

・根が傷んでカルシウムCaの吸収がうまくできない

・気温が上昇とともに生長が急激に早くなり、根から吸収されるカルシウムCaの上部※への供給が間に合わない

※新葉、新芽など特にカルシウムCaが必要とされる生長が盛んな部分

・窒素、カリ、マグネシウムの過剰はカルシウムCa吸収を阻害する。

【カルシウムCaが不足すると、どうなる?】

トマトの場合、カルシウムCaが果実にまんべんなく行きわたることができず幼果の細胞壁が壊れ黒く変色し懐死してしまいます。

樹木では、新梢葉の先が黄く変色してしまい、次第に葉縁部に広がります。ひどくなると先端部や葉先、葉縁部が黒褐変し、伸長が阻害されます。また、根の先端へも影響を及ぼします。このように、分裂組織に萎縮、奇形、壊死といった影響が生じます。

【カルシウムCa、いったい何をしてくれている?】

ペクチンと結合してペクチン酸カルシウムになります。こうなることで、細胞壁の組織が強固につながり、細胞壁の強度を高めます。結果、体の支持強化や病害虫の侵入を抑えてくれます。

※手前:葉面散布、奥:未実施

【カルシウムCa、どんな性質なの?】

次のような性質があります。

・植物体内では非常に移行しにくい成分です。蒸散によって水分と共に移動しています。

・古い器官に多く含まれ、新しい器官ほど不足することが多くなります。

・古い器官から、新しい器官への移行はできません。

・土中では植物が吸収できない難溶性カルシウムである状態が多いです。

・水溶性カルシウムであれば、植物が吸収しやすい状態で活用できます。

・水溶性カルシウムは(Ca2+)陽イオンとして、植物が吸収する際に、カリ(K+)マグネシウム(Mg2+)と競争するため、これらの量が多すぎるとカルシウム(Ca2+)の吸収が妨げられてしまします。

【カルシウムCa、どうやって植物に与える?】

一度に多くを吸収することができない成分です。

また、物体内での移行が少ないため、持続的に根から吸収し続けないと不足してしまいます。

このため、カルシウムの吸収は低濃度で持続的に(特に生育期に)与えることが大切になります。

そのひとつの方法が葉面散布です。

【カルシウムCaの葉面散布はどうやってするの?】

土壌にカルシウムCaがある場合は、適切な水やりだけで効果があります。

しかし、これで解消されない場合はカルシウムCaを補う必要があります。

その簡単な方法が、直接葉面に散布して葉からの吸収をさせる方法です。

私の場合は、春から次のように週に1回、葉に散布しています。

・苦土石灰※を適度に500mlのペットボトルに入れます。

・これに水を入れて振る。

・時間が経つと下に石灰が沈殿するのを待つ。

・この上澄み液をスプレイヤーに入れて水で100倍ぐらいに薄めます。

・葉に霧状にして葉面散布をします。

※苦土石灰は「くどせっかい」・・・「苦土(マグネシウム)」+「石灰(カルシウム)」

※主成分・・・炭酸カルシウム(CaCO3)と炭酸マグネシウム(MgCO3)

【カルシウムCaの供給で気をつけることは?】

カルシウム過剰になるとマグネシウムとカリウムなどの吸収を阻害してしまいます。

マグネシウムは、光合成に必要な成分であり、葉の裏にある気孔の開閉にも関わっています。また、カリウムは根での吸水や肥料要素の吸収を行うのに大切な要素です。

このため、かえって植物を弱めてしまう事がありますので注意が必要です。

【まとめ】

Photo by JESHOOTS.COM on Unsplash

カルシウムCaを上手に使うことで、植物の細胞壁を強固にすることできます。

こうなることで病害虫を防ぐ能力が高まり強い植物に育てることができます。

ただし、過剰施用は逆効果です。

薬剤を使わずに病害虫に負けない植物になってほしいので、他にも植物が持つ力を引き出す情報を発信します。

それでは、また👋🐓…


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